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歯並びを整えてきれいにした後は、歯の色も白くきれいにしたいと考える人は少なくありません。実際、歯科矯正を終えた後にホワイトニングを受ける人は多いのですが、歯科矯正とホワイトニングを同時にすることは可能なのでしょうか。ここでは、ホワイトニングの方法と歯科矯正とホワイトニングは同時にできるのかについて紹介します。
ホワイトニングとは、文字通り歯を白くすることで、歯のエナメル質に色素沈着した有機物を分解しておこないます。専用の薬剤を使用した本格的なホワイトニングはクリニックでしか受けることができません。クリニックでのホワイトニングが実用化されたのはアメリカがはじまりです。
クリニックでのホワイトニングは過酸化水素や過酸化尿素などの過酸化物を使用して行います。過酸化水素や過酸化尿素などの過酸化物は危険物に該当するため、クリニックでしか扱うことができません。
このため、医療機関でないサロンで行うホワイトニングはシステインを落とすだけになりますので、クリニックで行うホワイトニングよりも効果は低くなります。
多くのクリニックでは、クリニックで行うオフィスホワイトニングと、クリニックが推奨するホワイトニングキットを使って自宅で行うホームホワイトニングを併用したデュアルホワイトニングを実施しています。オフィスホワイトニングのみの場合よりも高い効果が期待できます。
ホームホワイトニングはホワイトニングの薬剤を専用のマウスピースに塗布。このマウスピースを歯に装着して行います。ホームホワイトニングはオフィスホワイトニングで白くなった歯の色を定着させる役割を持っています。
歯科矯正をしながらのホワイトニングは、クリアアライナーやインビザライン矯正ならば可能です。ブラケット矯正では矯正器具が邪魔になるためできません。
歯科矯正をしながらのホワイトニングは、医師の指示のもと、期間やホワイトニングの時間を限定して行います。
下記のように、あるクリニックでは、クリアアライナーを使用したマウスピース矯正中に、ブリーチングトレーとしてクリアライナー併用し、ホワイトニングも行うことを勧めています。
『当医院では,クリアアライナーを使用している患者には、クリアアライナーに必要な 1日 17 時間以上の装着時間の中で連続 2 時間のみ(2 週間)ブリーチングトレーとして併用することを勧めている。それにより、矯正治療とホワイトニングを同時に行うことができる。また、ホームホワイトニングのトレーを別途に製作する必要がないため、コストの削減につながる。さらに,ホームホワイトニングの利点である歯科医院への通院回数を減らす ことも可能になり、患者満足度の向上が得られた。』
引用元:(PDF)日本顎咬合学会誌 咬み合わせの科学29巻4号(2009)p.308-313「クリアアライナーに併用したホームホワイトニングにおける患者満足度の向上について」
前項で紹介したように、矯正用マウスピースはクリアアライナーやインビザラインなど一部ホームホワイトニングに使える場合もありますが、基本的には使用できません。なぜなら、矯正用マウスピースを使用してのホームホワイトニングはしみる可能性が高く、ホワイトニング剤がマウスピースから漏れて飲みこんでしまう場合があるためです。
矯正用マウスピースを使用してホームホワイトニングを行う場合は、海外で販売されているマウスピース矯正専用のホームホワイトニング剤を使用するか、矯正の進捗や時期を見極めて行う必要があります。
いずれにしても、素人がマウスピース矯正専用のホームホワイトニング剤を用意したり、判断したりするのは難しいので、クリニックで相談してみることをおすすめします。
歯科矯正とホワイトニングはクリアアライナーやインビザラインなど一部のマウスピース矯正ならば可能です。歯科矯正をしながらのホワイトニングは費用や時間、通院回数の削減につながるなどさまざまなメリットがあります。
しかし、注意しなければならない点もあり、医師の指示のもと、期間やホワイトニングの時間を限定して行う必要があるため、安易に素人判断で矯正用マウスピースにホームホワイトニング剤を塗布してホームホワイトニングをするのはやめましょう。
※2019年10月現在、各公式サイトで公表しているインビザラインプロバイダーランクです。